〜歩いても 歩いても〜

本作は、今は亡き母に対して「何もしてやれなかった」という監督自身の後悔から始まっているそうです。家族ならではの愛おしさと、家族だからこその厄介さとが絶妙のバランスで仕上がっています。

阿部寛さん(良多役)のコメントです。
完成した作品は、試写会場で大勢の観客と一緒に観たそうです。

「ある場面で大笑いしているおじさんがいる一方で、涙ぐんでいる若い女性がいたり。自分の経験や家族に重ね、それぞれの立場で考えながら見ることができる良質な作品。お客さんの顔がみんなすごくいい表情だったんですよ」

誰にでも当てはまる、ありふれた日常のワンシーン自分の置かれている立場や状況によって、共感できる登場人物は変わってくると思います。ちなみに私はYOUさんでした。

〜思わず微笑んでしまったシーンより〜
家族が勢揃いして『おばあちゃん家、おばあちゃん家』とはしゃいでいると、
『この家はわしが働いて建てた、おじいちゃん家じゃないか』とぼやく父・・・

そういえば、我が家でも家族はみんな『おばあちゃん家』と言い、
誰ひとり『おじいちゃん家』とは言いません。
でも、父がやっぱり大黒柱です。 

またひとつ、大好きな映画が増えました。

追記
とうもろこしの天ぷらは子供の頃の大好物でした!

映画 歩いても 歩いても

歩いても 歩いても 2007年(日)114分
監督 : 是枝裕和
出演 : 阿部寛 / 夏川結衣 / YOU / 高橋和也 / 田中祥平 / 樹木希林 / 原田芳雄 他

(あらすじ)
夏の終わりに、横山良多は妻と息子を連れて実家を訪れた。
開業医だった父とそりのあわない良多は失業中のこともあり、ひさびさの帰郷も気が重い。
明るい姉の一家も来て、横山家には久しぶりに笑い声が響く。
得意料理をつぎつぎにこしらえる母と、相変わらず家長としての威厳にこだわる父。
ありふれた家族の風景だが、今日は15年前に亡くなった横山家の長男の命日だった…。