〜ゆれる〜

目で訴える香川照之さんの演技
いつにも増してセクシーなオダギリジョーさんの演技

少ない登場人物で、背景や過去を説明する場面はほとんどありません。
演じる役者と映像で、物語は見事に展開されていきます。

誰しもの心の奥底に眠る『悪』を見た気がしました。
見て見ぬふりをして何となく誤魔化してきたものを、目の前に突きつけられた感じ。
エンドロール「うちに帰ろう」を聴きながら『ふー』っと重い溜息が出ていました。
心がゆれたのか…

映画 ゆれる

ゆれる 2006年(日)119分
監督:西川美和
出演:オダギリジョー/香川照之/伊武雅刀/新井浩文/真木よう子/木村祐一/ピエール瀧 他

(あらすじ)
東京で写真家として成功した猛は母の一周忌で久しぶりに帰郷し、実家に残り父親と暮らしている兄の稔、
幼なじみの智恵子との3人で近くの渓谷に足をのばすことにする。
懐かしい場所にはしゃぐ稔。稔のいない所で、猛と一緒に東京へ行くと言い出す智恵子。
だが渓谷にかかった吊り橋から流れの激しい渓流へ、智恵子が落下してしまう。その時そばにいたのは、稔ひとりだった。

事故だったのか、事件なのか。
裁判が始められるが、次第にこれまでとは違う一面を見せるようになる兄を前にして猛の心はゆれていく。
やがて猛が選択した行為は、誰もが思いもよらないことだった。